幸福度が高い人ほど「主体的」に行動する
- 1月23日
- 読了時間: 3分
第3回 日経統合ウェルビーイング調査から見える企業経営の新潮流
2026年1月に公表された第3回「日経統合ウェルビーイング調査」(日本経済新聞社実施)では、企業におけるウェルビーイングの実態と、その効果が改めて明らかになりました。
本調査は、伊藤邦雄氏(一橋大学CFO教育研究センター長)が監修し、上場企業の従業員約1万人を対象としたベンチマーク調査と、Well-being Initiative参加企業の約2万2千人の回答をもとに分析されたものです。
ウェルビーイング認知は97%へ
「ウェルビーイング」という言葉の認知度は年々上昇し、参加企業では97.1%が認知。一般企業においても約7割が認知しており、内容理解も進んでいることが示されました。
企業経営において、ウェルビーイングはもはや一部の先進企業だけのテーマではなく、広く共有される概念へと変化しています。

若手は高いが、中高年層で低下
ウェルビーイング実感(7点以上)の割合は前年より上昇しました。しかし年代別に見ると、
20代:約48%
50代男性:約31%
40代女性:約33%
と、入社10年前後を境に低下傾向が見られました。
中高年層の「働きがい」「生きがい」をどう高めるかが今後の重要課題と言えます。
課題は「組織風土」と「一体感」
調査ではウェルビーイングを5領域で分析しました。
組織風土
キャリア自律
健康安全
社会関係
経済自立
その中で特にスコアが低かったのが、
「革新に向けた動きがしやすい」
「職場に一体感がある」
という項目です。
DXは進んでいるものの、守りの効率化にとどまり、「挑戦」や「学び直し(リスキリング)」の文化醸成が十分でないことが背景にあると分析されています。
残業ゼロ=幸福ではない
興味深いのは、残業時間と幸福度の関係です。
月10~30時間の残業層が最もウェルビーイング実感が高い結果となりました。
30時間超:明確にマイナス
10時間未満:必ずしも高くない
適度な挑戦や役割を担うことが、幸福感と結びついている可能性が示唆されます。
幸福度が高い人は主体的に動く
最も重要な結果はここです。
ウェルビーイング実感が高い人ほど、
会社に貢献していると感じる
この会社で働き続けたい
自社を他者に薦めたい
新しいプロジェクトに自ら挑戦する
業務改善に主体的に取り組む
リスキリングに自発的に参加する
という傾向が明確に表れました。
つまり、
ウェルビーイングは「結果」ではなく「生産性向上の源泉」である
ことが実証的に示されたのです。

経営の「外縁」から「中核」へ
伊藤邦雄氏は次のように述べています。
―ウェルビーイングはもはや経営の外縁テーマではなく、中核テーマになりつつある。
従業員の幸福度が高まると、生産性は13%向上するという研究結果もあります。
ウェルビーイングの低下は、売上低下や組織力の低下にも直結する可能性があります。
ウェルビーイング四国の視点
私たち一般社団法人ウェルビーイング四国は、ウェルビーイングを
「個人の幸せ」だけでなく「組織の持続的成長」につながる経営戦略
として位置づけています。
今回の調査は、
主体性を引き出す組織風土づくり
挑戦を許容する文化
個人を尊重するマネジメント
納得感ある評価制度
が企業価値を高める鍵であることを示しています。
ウェルビーイングは“優しさ”の話ではありません。競争力を高める経営テーマです。
今後もウェルビーイング四国では、地域企業が持続的に発展するための実践的なウェルビーイング経営を推進してまいります。
企業の未来は、そこで働く人の幸福度から始まります。
